イームズチェア

フランスの建築家、ジャン・プルーヴェのポテンス ウォールランプです。

ポテンス ウォールランプは、Tropique 邸のためにデザインされた照明です。
ジャンプルーヴェらしい、スチールに塗装しただけの
非常にシンプルな仕上の壁面ランプ。

ポテンスとはランタン等を吊るす腕木のことで、
ランタンをうまく表現している素晴らしいデザインは、
長年に渡って大きな支持を受けています。

ベースにある取っ手によって左右にスイングさせることができ、
自由に光源の場所を変えることができます。
フレームが邪魔なときは壁に沿わせて収納し、
明かりが欲しいときはライトを移動させて使えば、
このランプ独特の使い勝手の良さを実感頂けます。
溶接の跡や未加工の表面をあえてデザインとして表現した作風で、
武骨なスチールの素材感を楽しめる仕上がりになっています。

父ヴィクトール・プルーヴェはナンシー派の工芸家であり
ナンシー派は工芸の世界に合理的産業化の考え方を持ち込みましたが
ジャンの作品もその影響からか
どこか温かみのある作品に仕上がっています。
こちらも例外ではないのか、金属でありながら
どこか懐かしさと温かみが同居してますね。


ジャン・プルーヴェ1901年パリに生まれる。アール・ヌーヴォーの巨匠、ヴィクトール・プルーヴェを父に持つ。
アール・ヌーヴォーの環境の中で鉄工芸の技術を習得し、鉄という素材を熟知するようになる。1923年頃に自分のアトリエを設立、この頃パリでル・コルビュジエ、シャルロット・ペリアンらと知り合う。1930年には彼等と現代芸術家組合（UAM）を設立する。合理的で無駄の無い構造フォルムによる家具を多くデザインしたプルーヴェは、ナンシー市の市長、大学の教授等も努め、建築家としても活躍した。